私は一般職にコンプレックスがある。
もう10年近く社会人をしていて、デザイナーとして経験も積んできた。会社でも褒められることの方が多い。
でもずっと、コンプレックスがある。
私にはとてもできないであろう、所謂一般職。
理由は、就活を諦めて、今の職に就いたから。
就活に身が入らなかった理由
遡ること10何年前、私は大学3回生で他の人と同じように就活を始めた。
始めたと言っても、どうにも気持ちが乗らなくて、大きめの説明会に顔を出したり、ちょっと調べたりしただけで大したことはしてなかった気がする。
今思うと、まったく身が入っていなかった。
みんなエントリーシートを書いたり、面接に行ったり、自己分析をしたり…私はといえばいまいちどの業界もしっくり来なくて、自分がどの職種でも働いている姿が見えなくて、ずっと足踏み。
私は一体何ができるんだろう?何が得意で、何が好きなんだろう?
思いつくのは、絵を描くことだけ…ただ、完全に趣味だったし、私より圧倒的に才能のある身内が苦戦しているのを知っていたから、最初から絵を仕事にしようとは思っていなかった。
だからこそ、自分に何ができるのか分からなかった。
今思うと真面目すぎるのだけど、嘘をつくのが下手で、苦手で、思ってもないことを喋るという行為が出来なさすぎた。やりたくなかった。
これは就活の場においては致命的。
自分をよく見せるために話を盛る、そこまで興味がある訳では無いけど興味があるように振る舞う、どれも苦痛で、出来なかった。
綺麗事を言っているわけではなくて、ただただ、下手。だから人狼とかも出来ない。ゲームを台無しにしてしまいそうでいつも断っている。笑
よくよく考えたら、失敗したらどうしよう、上手くできなくてコイツダメだなって思われたらどうしようという臆病な気持ちが足止めしているのかも。
ふらりと立ち寄ったブースで、人生が変わった
ただどこかで、なんとかなるだろうという楽観的な気持ちもありました。
そして実際何とかなってしまった。
というのも、一向にやりたいことも見つからず、やれそうなことも見つからず、自分の未来に想像もつかず、ただ合同説明会に足を運んで資料を貰うだけ。
そんな時期が続いていた頃、ふと会場で就活相談ブースが視界に入ってきた。
もうどうしようも無い、と思っていた私はふらりと、ブースに立ち寄った。何かキッカケになるといいなと。
そこで、話を聞いてもらった。
「何か得意なことはありますか?」
「仕事にするつもりはないんですが、絵を描くのが得意で、昔からサイトを作ったりして活動していました。」
ここから、話はトントン拍子。
「Webデザイナーという仕事があるよ」
元々軽く立ち寄っただけだったのだけど、不思議なことに、私は自分がパソコンに向かって、ソフトを使って、何かを作っている姿が想像できた。
あ、コレかも。と。
私は明確に手応えを感じた。
そのままそのブースにいたデザイン系のスクールの人に話を聞かせてもらい、「就活では難しいかもだけど、未経験でアルバイトから入って正社員になれるケースもあります」との情報を得た。
新卒カードに傷をつけるのは多少の不安もあったけど、私の心はもう、これだ、と思っているので揺らがない。
その場で資料をもらい、帰宅して親に相談。
親も美術系の趣味があることもあり、まぁ、いいんじゃない?と了承。
アルバイトで貯めたお金、免許を取ろうと思っていたお金を使って、大学に通いながらWeb系のスクールに通うことに。
その後大学に通いながらスクールにも行き、卒論を書きながらアルバイトをし、何とか大学卒業。
結局のところ、卒業後半年間はスクールにだけ通い、新卒一年目の秋に運良くアルバイトのデザイナーとして採用いただいた会社でその後正社員になったのでした。
それでも、一般職コンプレックスは消えない
長くなりました。
というわけなので、私には一般職コンプレックスがある。
自分がなれなかったものだから。
いくらデザインが作れても、皆がやっている仕事は私にはできないし、やれるとも思わない。
もしかしたら逆も同じことを思われているかもしれないけれど、個人的にはデザイナーは誰でもやれると思っている。(重要、私レベルであれば)
というのも、デザインはひと握りの天才にしか扱えないセンス型のものではなくて、筋トレで筋肉をつけるような、理屈で成立させるものだと思っているから。ツールの使い方、デザインの基本ルール、あとは経験値。それさえあれば、誰でもたどり着ける場所だと思っている。私自身、努力型の自覚があるので、だからこそ「私レベルであれば」と言いたくなる。
一般職に憧れ続けて10年。でも気づけば、筋トレを積み重ねてきた自分がいる。それはそれで、悪くないのかもしれない。

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